日本人は無宗教とはいうものの、初詣や七五三、葬式などの際には寺社を訪れる人が大半のように見受けられます。
神や仏は信じないと言いながらもおみくじの結果に一喜一憂したりとよくよく考えると可笑しなこともありますが、まあそれは良しとしても、少子高齢化、核家族化、死生観の変化などにより、お寺の存続は実は危ういのです。
コンビニよりも多いお寺の数
皆さん、クイズです。
日本国内で神社とお寺はどちらが多いでしょう?
答は神社。
文化庁のデータ(平成27年12月)によれば、神社が81,255、お寺は77,316と僅差ではありますが、神社の方が多くなっています。ただ、全国に約8万と言うと多いか少ないのかピンときません。
ではコンビニとお寺、どちらが多いでしょう?
なんとこれ、お寺の方が多いんです。(2017年2月で全国のコンビニは54,922店舗(JFAデータより))
コンビニよりも多いと聞くと、お寺っていっぱいあるんだとあらためて気づかされます。
坊主丸儲けは昔の話?
お寺の数は約7万7千とされていますが、そのうちの約2万は住職がおらず、他の寺の住職が兼任しているのが現状です。
また僧侶が兼業していることもあります。それは後継者が不在ということであったり、経営が成り立たなかったりということなのです。
神社も同様で神主さんもいくつか掛け持ちなんて話も聞きます。
だってそうでしょ?あなたのおじいちゃん、おばあちゃんは葬式や供養の際にウン十万円をお布施として納めていたり、お寺が改修などを行う際には寄付をしていたんではないかと思います。
でも、皆さん、お寺にというか僧侶にいくら払ってます?というかお付き合いのあるお寺もよく分からないとという人の方が多いかも知れません。
葬儀を行う際も、葬儀屋さんから僧侶を手配してもらうことも増えているようですし(お寺は提携して仕事を貰うわけですよ)、AMAZONで僧侶派遣なんてのも話題になりましたよね。
葬式さえやっていればお寺が潤う時代はもう終わっているんです。
お寺存続の危機
いきなりですが結論から言います。
観光収入、不動産収入の無いお寺はこのままでは消滅します。
コンビニよりも多いお寺や神社を誰のお金で支えるか?考えたら難しいのは明白です。
檀家の数自体が減る一方でしょうし、その檀家すら高額なお布施を払うことは減って行くでしょう。税金面では優遇されている面もある宗教法人ではありますが、入ってくるものがなければ税金があろうがなかろうが関係ありません。
お寺も生き残りのために新たな事業を始めたりしていますが、うまくいっているのは一握りではないでしょうか。
評価したい僧侶たちの新たな試み
一方で、お金儲けとしての取り組みではなく、今の時代にお寺、僧侶として何ができるのか?と様々な取り組みをしている人たちもいます。
例えばイベント的な悩み相談、終末医療の緩和ケア、お寺を中心にしたコミュニティの形成、多くの人にお寺や仏教に触れてもらおうと、お寺のカフェや僧侶のバーなんてのもあります。
これらは一見新しそうに見えますが、その本質は昔からあるお寺のあるべき姿なんではないかと思います。
昔とは違う悩み、ストレスを抱える現代人、なんらかの救いを求めてるんです。それに対して僧侶は一般の人にはできない役割を担うことが出来ると思います。
お寺や神社が減って行くのは仕方ないと思うところもありますが、そこは期待したいし、応援したいですね。