前回のブログで火葬に関するお話をしました。
今回は、前回に深掘りしなかった遺骨をどこに納めたらよいのか?逆にどうしたらいけないのか?というあたりのお話をしたいと思います。
遺骨はお墓に納めなければいけないのか?
もう一度、お墓に関する法律(墓埋法)第4条を見てみますと、こう書いてあります。
「埋葬又は焼骨の埋蔵は、墓地以外の区域に、これを行つてはならない。」
これは
遺体(土葬の場合)、遺骨(火葬の場合)を埋める場合、お墓以外はだめですよ。
ということです。
遺骨はお墓に入れなくてはダメ!ということではありません。
庭や公園に埋めてはいけません。ということです。
ですので、まず、ご自宅にずっと安置しておいても全く問題ありません。
では埋めなければどう扱っても問題ないのか?というと、そうではありません。
刑法の「死体遺棄・損壊罪」によって、遺骨を捨てたりしてはいけません。また、車の中に放置していたり、夜逃げの際に骨壺を置いていったら罪に問われたなんて例もあるそうです。(まあそんなことをする人は稀だと思いますが・・・)
親戚やお付き合いのあるお寺から「49日が終わったらお墓に入れないといけない」とか「一周忌までにはお墓に」なんて言われるかもしれませんが、それは法律で定められているわけではないのです。
納骨堂や樹木葬は墓地への埋蔵
(萬松寺(名古屋)の水晶殿)
最近は納骨堂や樹木葬の広告などを見る機会も多いと思いますが、そういった施設は墓地として市区町村の認可を受けています。(受けていないところは違法です)
樹木葬が希望だから、お金をかけずに自宅の庭や近くの公園の木の下に・・・と考えがちですが、これは先ほど述べたように墓地ではないところに埋葬するとなるため、法律違反となります。
散骨は違法じゃないの?
さて、ここまでは分かりやすいと思うのですが、遺骨を海などに撒く「散骨」が大丈夫なのか気になりますが、結論から言いますと・・・
違法ではないとされています。(なんかグレーな感じですかね)
埋めるわけですし、捨てるのではなく、キチンと供養するための行為ということで、今ある法律には抵触しないということのようです。
ただ、散骨を禁止している地域もあるようですので、もちろんそういった場所では散骨してはいけません。
先ほど自宅の庭に遺骨を埋めたら違法と書きましたが、粉砕して撒くとすれば違法ではないという解釈になります。
手元供養を選ぶ人も増えている
先ほども書きましたが、手元に遺骨を置いて供養することも問題ありません。最近はオシャレというか凝ったデザインだったり、高級、高額な骨壺もあり、またそれが売れているそうです。アクセサリーのような小さな骨壺もありますし、骨をダイヤモンドに加工してくれる業者さんもいます。
お墓や納骨堂に比べて費用や面倒は省けますし、身近で供養できることが嬉しいという方もいるでしょう。お参りに来る人が多い場合は大変かもしれませんが、最終的に供養する人がいなくなったらどうするのかさえ決めておけば、手元供養という選択肢もいいと思います。
遺骨を分けるのは自由
改葬(お墓の引越し)や分骨には許可がいるという話を聞きますが、それは「お墓」を移動したり、複数のお墓に埋葬(納骨)する場合です。遺骨を家族で分けて自宅やアクセサリーにして持つというのであれば許可は必要ありません。
大切なのは想い
墓埋法が制定されたのはまだ土葬の方が多かった昭和23年。それから人々の死生観、宗教との関わり方、供養の方法も変化しています。また定められているのは人間のことだけで、ペット(動物)に関しては触れられていません。時代に合わせて見直しも必要になってくるかもしれませんね。