「セカンドオピニオン」というワードはかなり一般的になってきていますね。特に医療分野で用いられることが多いと思いますが、今回は私自信の体験談とともにセカンドオピニオンの重要性、その選択の幅を拡げたらどうでしょうというお話をさせていただきます。
目次
まずは私の体験談から
ある朝、左腕に痺れ(しびれ)が
年1回の健康診断で「要経過観察」の項目がいくつかあるものの、大きな問題は無し。デスクワークの比率が多く、肩が凝るんじゃない?と周りから言われることは多いのですが自覚症状は特に無く、健康だと思ってました。
で、ある朝感じたのが左腕の痺れ。痛くはないのですが、ジ~ンと嫌な感じが続きました。最初は寝違えたのかな?と思っていましたが、数日経っても治る様子は無し。
脳に障害?!なんてこともちょっと気になりながら、自宅の近所の外科で診てもらいました。
腕を上げたり回したりしながらの痺れの様子やレントゲンの画像から出た答えは、
どうも首が怪しい。
で、MRIで精密な検査をした方がよいとのこと。
その外科医院にはMRIが無いため、紹介状を書いてもらい、ちょっと遠くの大きな病院へ。
初MRIでした。言われるがままに頭を固定されて機械の中へ。検査中に異常があったらボタン押してください。と言われましたが、何が異常か判断できません(涙)。だって工事現場のような大きな音いっぱいしますし。
とあまり嬉しくないMRIデビューを果たし、結果は後日に最初に行った外科医で聞くことに。
診断は頚部脊柱管狭窄症
さて、結果を楽しみに・・・いや、全然楽しみではなかったのですが、結果を聞きに行きました。
そこで言われた病名は「頚部脊柱管狭窄症(けいぶせきちゅうかんきょうさくしょう)」。
漢字を見るとなんとなく分かるのですが、簡単に言うと首の脊柱菅が狭くなっていて神経を圧迫しているために痺れが発生しているようです。またこれが悪化すると痛みとなる場合もあるそうです。
これって治るんですか?
先生は落ち着いた感じで丁寧に説明してくれました。
- これといった治療法はなく、治ることは無い
- 悪化しないようにうまく付き合っていくことが大切
(首に負担をかけない、姿勢に気を付けるなど) - 今後(数年後?)もし悪化した場合は手術が必要
生命に関わることではないのですが、結構ショッキングな内容でした。
ではお薬出しておきますね。
と先生は言いましたが、ちょっと疑問が。
それって治すクスリなんですか?
いや、痺れを抑える飲み薬ですよ。
・・・・・だったら要らないです。
我慢できないような痺れではありませんでしたし、クスリの成分が何かは聞きませんでしたが、飲んで痺れが収まるってなんか怖いと思い、とりあえず薬はもらわないことにしました。
その先生が信用できないわけではなかったのですが、自分でもちょっと調べてみようと、MRIの画像のデータとプリントアウトを貰ってその日は帰宅しました。
セカンドオピニオンとして鍼灸師に
ネットで調べたり、“脊柱索狭窄症は治る!”みたいな書籍を購入したりしましたが、分かったことは、
・悪化すると結構大変な病気らしい
・手術以外の治療法もいろいろあるようだが、ピンとこない
まあ、外科の先生の言った通りなんでしょうね。
自分で調べても進展はなかったので、セカンドオピニオンを求めることに。
さて、誰に?
他の外科医へというのも考えましたが、鍼灸の先生に聞いてみることにしました。以前に対処療法的に症状を抑える西洋医学に対して、根本を治して身体を健康な状態にする東洋医学という話を聞いていたからです。
鍼灸の先生にMRIの画像を見せ、外科医での診断を伝えました。そして先生は私の舌や脈を診て、首や肩、背中を触ります。
肩や首、こってますね~。背中もよくないな~。
そのあたりの筋肉を緩めれば鍼で治るよこれ。
えっ?先生今なんて言いました?!
治るんですか?
先生にはとても失礼な話ですが、にわかには信じられません。とは言うものの、薬や手術ではなく「鍼」なんで、すぐに治療をお願いしました。
治療を受けながらいろいろ説明を聞き、なんとなくですが仕組みが理解できたというか、治療方針が腹に落ちました。
そこの鍼灸院は保険はきかないので治療費はそこそこしますが、それでも1回数千円。MRIの検査費用に比べても安いわけで、試しに通ってみるのに躊躇する理由はありません。
で、結果はどうだったか?
週1で3回、期間として2週間で痺れはなくなりました。
おまけに首や肩がとても軽くなりました。
いやあ、先生ありがとう!!
セカンドオピニオンのススメ
とまあ、私の場合は鍼灸の先生にセカンドオピニオンを求めることで薬や手術に頼ることなく治療ができました。かといって皆さんに鍼灸院がいいですよ~と言うつもりはありません。
お伝えしたいのは2つ
診断結果や治療法に疑問があったら、セカンドオピニオンを
かかりつけの医師や近所で(ネットで)評判の良い先生に診てもらっていても、その診断や治療方法に疑問があったら、他のお医者さんなどにセカンドオピニオンを求めましょう。先生としたら正直面白くないかもしれませんが、それを伝えて怒ったり拒否するような医師は避けてもよいではないかと私は思います。
医師を疑うのということではなく、納得して治療を受けるためと考えればよいのです。せっかくの治療やクスリもあなたが疑っていてはその効果も出にくくなってしまうものです。
他の医師に意見を聞いた結果、あなたのかかりつけの先生と同じ見立てであったり、やはりいつもの先生の方が信じられるということであれば、あなたも安心して治療に専念できます。医師との信頼を深める意味でもセカンドオピニオンをおススメします。
セカンドオピニオンの選択肢は多い方がいい
そしてセカンドオピニオンを誰に求めるか?セカンドと言っても別に3人以上に聞いたって構いません。自分が納得いくまで調べて、聞いてみてはどうでしょう?同じ専門の医師であったり、他の分野であったり・・・最近はセカンドオピニオンは当院で!と宣伝している医院もありますしね。
私の場合は東洋医学(鍼灸)に頼ったら良い結果が出ました。あくまで私の場合はということです。
最初に見てもらった先生の見立てや判断が間違っていたか?といえば決してそんなことは無いと私は思います。キチンと状態や今後の対策などを伝えてくれましたし、外科医としての治療としては正解なのでしょう。また、私が他の医師にも聞いてみたいと言ったら快くデータをくれました。外科医にかかる必要があればまたここにお世話になろうと考えています。
ネット社会になり情報が豊富になった反面、どの情報が正しいのか判断することが難しくなっているのも事実です。ネット情報を過信するのもどうかと思いますし、素人が自分で病気を診断するのもどうかと思います。
そういった時に相談できる医師や、信頼できる情報を持った知人がいると安心です。普段からそういったことにアンテナを伸ばしてネットワークを広げておきませんか?