鍼灸がメジャーにならない、いくつかの理由 | ときめきメキキ

鍼灸がメジャーにならない、いくつかの理由

健康や東洋医学の記事をいくつか書いていますが、読んだ方には私が「鍼灸推し」なのはバレているかと思います。

ええ、私は鍼灸のファンというか、鍼灸の可能性を信じてます。
知人からカラダのことで相談を受けると、鍼灸を勧めることが多いのですが、私の話を信じて試しにやってみる方もいますが、残念なことに鍼なんて・・・と敬遠される方もいます。

地域やコミュニティによって差はあるようですが、鍼灸って治療法として認知されてない上に、その効果に対して懐疑的な方が多いように見受けられます。

私と鍼灸の出会い

鍼灸の出会いは、鍼灸師だった叔父から受けた施術、私が25歳の頃でした。鍼灸に関して全く知識も関心も無かったのですが、親戚の法事の際に鍼を打ってもらうことになったんです。

鍼を刺すのはちょっと怖かったんですが、体験してみると全くと言っていいほど痛みはありません。それも驚きだったのですが、叔父は目はほとんど見えないのに、私の体を触るだけで、私が気になっていた症状や私の仕事内容までも言い当てるのです。それがきっかけで、鍼ってなんかすごいんじゃないか?と思うようになったんです。同僚にも勧めました。

ただ、そのすぐ後に病院で鍼治療を受けたことを話すと「なんで鍼なんか打ったの?」とあたかも悪いことをやったかのように強く言われ、鍼って医者からするとダメなものなの??と疑問に思ったこともありました。

その後、しばらくは鍼灸との接点は無かったのですが、40代になった頃、プライベートで鍼灸師さんとお話しする機会があり、私も若い頃よりは医学的な知識(というか病歴)も増えていたので、より興味を惹かれるとともに、治療法として「鍼灸」を選択するようになりました。

以前ブログで書いた脊柱管狭窄症といった病名が付くようなものだけではなく、ちょっと体調がすぐれない、首が回らないなど、何度もお世話になっています。

毎回、その場で劇的な効果があったか?と問われると、数回通わないと改善しない時もありましたが、原因というか体のどこが悪いとう説明や、治療の方針を聞くと納得できるものがありました。

日本で鍼灸がメジャーにならない理由

さて、前置きが長くなりましたが、ここからが本題。
鍼灸のファンというか、鍼灸師でも無ければ、医学を学んだわけでもない私が言うのも変なのですが、鍼灸がメジャーにならない理由を思いつくまま挙げていきます。
※あくまで素人の感じたことですので、認識違いなどあると思いますがご容赦下さい。

効果が認知されていない

公益社団法人日本鍼灸師会のWEBページを見ると鍼灸の適応症として症状や病名がいくつも挙げられています。

【神経系疾患】神経痛・神経麻痺・痙攣・脳卒中後遺症・自律神経失調症・頭痛・めまい・不眠・神経症・ノイローゼ・ヒステリー

【運動器系疾患】関節炎・リウマチ・頚肩腕症候群・頚椎捻挫後遺症・五十肩・腱鞘炎・腰痛・外傷の後遺症(骨折、打撲、むちうち、捻挫)

【循環器系疾患】心臓神経症・動脈硬化症・高血圧低血圧症・動悸・息切れ

【呼吸器系疾患】気管支炎・喘息・風邪および予防

【消化器系疾患】胃腸病(胃炎、消化不良、胃下垂、胃酸過多、下痢、便秘)・胆嚢炎・肝機能障害・肝炎・胃十二指腸潰瘍・痔疾

【代謝内分秘系疾患】バセドウ氏病・糖尿病・痛風・脚気・貧血

【生殖、泌尿器系疾患】膀胱炎・尿道炎・性機能障害・尿閉・腎炎・前立腺肥大・陰萎

【婦人科系疾患】更年期障害・乳腺炎・白帯下・生理痛・月経不順・冷え性・血の道・不妊

【耳鼻咽喉科系疾患】中耳炎・耳鳴・難聴・メニエル氏病・鼻出血・鼻炎・ちくのう・咽喉頭炎・へんとう炎

【眼科系疾患】眼精疲労・仮性近視・結膜炎・疲れ目・かすみ目・ものもらい

【小児科疾患】小児神経症(夜泣き、かんむし、夜驚、消化不良、偏食、食欲不振、不眠)・小児喘息・アレルギー性湿疹・耳下腺炎・夜尿症・虚弱体質の改善

初めてみる方にとっては驚きかもしれませんね。しかも、これはWHO(世界保健機構)が認定している国際基準でであって、これ以外の症状(例えばガンなど)にも鍼灸が有効な場合はまだまだあります。

一般に難病と言われる病気もありますね。でも、どういうプロセスで治るのか、私も含め、素人にはなかなかピンと来ないです。

また、通常は薬で治す症状で、副作用が心配なものなどは、もし鍼灸で治るなら歓迎です。

睡眠薬や抗うつ剤に頼らず、不眠や鬱がよくなれば嬉しいですし、不妊症の治療は薬の副作用で心だけではなくカラダにも悪影響があるなんて話を聞きます。

・鍼灸の効果が認知されていない。
・情報として知ったとしてもにわかに信じがたい。
・周りに聞いても肯定的な意見が少ない。

現状はこんな感じではないでしょうか。

以前ブログで書いた、看板や広告に関して規制が厳しいことも一因かと思います。

口コミに依存する集客

一般的に認知が低いので、鍼灸院の集客は口コミへの依存が大きくなっています。
認知が低いために、その口コミもそれほど拡大していきません。

「○○の症状には、あそこの鍼灸院がいいよ。」と他人に勧めて、その場では行く気になっても、家族や別の知人から「鍼なんて効くわけない」と反対されて行かなかった。私はそんな経験を何度かしています。

対応する症状や効果が分かりやすい整体やマッサージに比べて選ばれにくいというのもありますね。

また、施術料金が分かりにくい、保険が適応される症状が限定されていることも、鍼灸のハードルを上げている気がします。

効果が分かりにくい場合がある

注射や薬、手術と違って効果が分かりにくい場合があります。翌日に効果が出るとか、数回の施術で効果が出るとか。これは鍼灸師さんのスキル不足ではなく、そういう治療なのですが、それを患者さんが理解していないと「鍼灸は効果が無い」というマイナスの口コミとなります。困ったことに悪い噂ほど早く広く伝わりますからね~。

少なくとも耐えられないような痛みがあれば緩和できるような技術に加え、施術のスキルではありませんが、治療方針というか、どういうアプローチでどう治っていくのかを患者さんに分かりやすく伝えることは、鍼灸師さんに頑張って欲しいと思います。

鍼灸師の地位が低い

これは一部の鍼灸師さんにとってはとても失礼な言い方かもしれませんが、私の正直な印象です。

これは鍼灸の資格取得の現状にも問題があると思います。
日本の場合、医者になるには大学の医学部で6年間学び、国家試験に合格し、その後2年間研修医として働きます。個人差もあるでしょうがそれからも日々が勉強です。
入学するのも難しく、それを乗り越えた人が6年学んで資格を取り、その後研修を経てやっと医者として世に出ることができるということなんです。

一方で鍼灸師の場合、3年間専門学校で学び、国家試験に合格すれば鍼灸師になれ、すぐに開業することも可能です。驚くことになんと実務経験無しでも鍼灸師になれていしますのです。

鍼灸学校や大学によっては実務というか臨床に重きを置いているところもあると聞きますが、大抵の学校は「国家試験に受かること」が最大で最終の目的になっています。
入学するのもさほど難しくない鍼灸の学校で、試験に受かるべく知識を詰め込まれるわけです。

国家資格なのに、これでOKということは、国が鍼灸という施術はこの程度と考えているということなのでしょうか。(鍼灸師さんの名誉のために言っておきますが、国家試験は決して簡単ではありません。)

鍼灸師になった方々もある意味かわいそうで、きちんと学べる環境で働ければよいのですが、リラクゼーションを求めてくる患者さんばかりを診ているような環境ではスキルも向上していきません。

スキルの無い鍼灸師ばかりが増えると、「鍼灸は難病も治せる」という情報が広まったとしても、「やっぱダメじゃん」という悲しいことになってしまいますね。

カリスマ鍼灸師の不在

美容師さんと一緒にしてはいけないとは思いますが、下積みで学び、技術を身に付け、いつかは独立して!というのは似ている部分もあるかと思います。

美容師と聞いて思い浮かぶのが、一昔前に流行った「カリスマ美容師」。鍼灸にもそういった「カリスマ鍼灸師」っていないのでしょうか?

いくつもの鍼灸院を経営し、ビジネス的に成功している業界におけるカリスマ鍼灸師はいらっしゃいますし、鍼灸の歴史を語るに欠かせない偉人というような方はいらっしゃるでしょうが、少なくとも私たち一般人には、なかなか情報は伝わってきません。

他力本願ではいけませんが、一般にも知られるスーパー鍼灸師が出てくると、状況は変わるのかな?という気もします。

負のスパイラルからの脱出

うまく整理できておらず申し訳ありませんが、鍼灸を取り巻く環境、鍼灸師のレベルや学ぶ環境など、鶏が先か卵が先か?というような感じで、どれが原因でというよりは、全てが連鎖しており、負のスパイラルとなって、鍼灸がメジャーにならない現状になっているように私は感じています。

しかし、メジャーになれないとは思っていません。

鍼灸にはそれだけの力があるし、結果も出ています。ひょっとしたら鍼灸を表に出したくない圧力がどこかから働いているのかもしれません。しかし、海外での鍼灸への関心の高さなどを聞くと、日本でも鍼灸の認知やポジションが、一気に変わっていくような気がします。

ただ、その時に治療ができる鍼灸師さんがどれだけいるか?
そこはちょっと不安ですが。

鍼灸というか東洋医学が西洋医学よりも優れているというつもりはありません。双方とうまく付き合っていくのがベターでしょう。

これまでよりも、少し鍼灸にも関心を持っていただくこと、また頼れる鍼灸師を知っておくことと良いと思います。

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